前回の更新からずいぶん時間が開いてしまいました。
いろいろと書きたい事やワークショップのお知らせなどもしたかったのですが、あっという間に時間は過ぎ^^;
1日を大切にしないといけないなぁと改めて実感いたしました。
さて、今日からは少しハーブについて書いていこうと思います。
「ハーブを食べる」というシリーズで何回か書いてきましたが、食べることだけではなく、もう少しハーブの作用や詳細をお伝えしていく「ハーブを知る」というシリーズです。
まずは代表的なハーブ
【ジャーマンカモミール】
学名 : Matricaria chamomilla(Matricaria recutita) 英名 : German Chamomile 和名 : カミツレ 科名 : キク科 使用部位 : 花部 |
カモミールと言われるものには今回紹介するジャーマンカモミールとローマンカモミールががあります。
ローマンカモミールはどちらかというとアロマの精油で名前をよく聞くのではないでしょうか。
ハーブティーなどで使われるのは大体、ジャーマンカモミールの方です。
では、この2つのカモミールの違いは何でしょうか。
名前が違うのでもちろん、お花自体が違います。
見た目もよく似ていますが、花の中心の黄色い部分がまるっとしているものがジャーマン、平たいものがローマンです。
ローマンカモミールの学名はAnthemis nobilis。
ハーブを購入するときに必ずチェックをしなくてはいけない学名。
学名が違うということは体などに及ぼす作用も変わってきます。
何かしらの効果を期待してハーブを利用する場合は、必ず学名をチェックしましょう。
ジャーマンとローマンの成分の違いの特徴として、カマズレンが挙げられるでしょう。
カマズレンはジャーマンカモミールの精油成分です。
精油を水蒸気蒸留する際にマトリシンという成分がカマズレンに変化をします。
このカマズレンが青い色をだすため、ジャーマンの精油は濃い青~青緑色をしているのです。
ちなみにカマズレンの作用は炎症を鎮めてくれる消炎作用。
ローマンの精油にはこの成分は入っていないため、精油を見比べるとはっきりと違いが判ります。
※ローマンの花部だけではなく、全草を蒸留するとカマズレンも含まれるそうですが、市販されている精油は花部を蒸留したものになります。
ジャーマンもローマンも心と体への作用はどちらも炎症や興奮した神経を鎮めてくれる作用がメインです。
利用方法として、甘い青リンゴのような香りがあるローマンカモミールの精油はリラックス効果が高いため、ゆったりリラックスしたいときに。
ジャーマンカモミールは胃の不調や冷え、不眠などのときにハーブティーとして利用できます。
では、話をジャーマンカモミールに戻しましょう。
ジャーマンカモミールは春にお花を咲かせます。
このお花を摘んでフレッシュなままやドライにして、ハーブティーやチンキ剤、インフューズドオイルなどにすることができます。
ジャーマンカモミールの利用法として一番よく使われるのがハーブティでしょうか。
ガラスのポットに入れると見た目もきれいです。
甘い優しい香りとほんの少しの甘味がリラックスさせてくれます。
ジャーマンカモミールはキク科なのですが、キク科のアレルギーのある人には向かない場合があるので注意が必要です。
次に化粧水やクリームなどを自作する人によく作られているのがチンキとインフューズドオイル。
チンキはアルコールでハーブの成分を抽出したもの、インフューズドオイルは植物油でハーブの成分を抽出したものです。
下の写真は40度のウォッカに浸けてチンキを作っています。
それぞれ抽出できる成分が違ってくるので、目的に合わせて選ぶと良いですね。
ちなみに、チンキは水溶性、脂溶性どちらの成分も、インフューズドオイルは脂溶性成分を抽出できます。
ジャーマンカモミールのチンキは化粧水などに加えると皮膚の炎症を鎮めてくれるので、かゆみがある人などにもお勧めです。
自作化粧水の無水エタノールの部分をこのチンキに変えるだけでOKです。
インフューズドオイルは軟膏やクリームなどに混ぜて使えます。
カミツレ配合、などと書かれている市販のクリームなども見たことがあるかもしれませんね。
様々な化粧品でこのジャーマンカモミール(カミツレ)が使われています。
他にもお湯を張った洗面器にジャーマンカモミールを浮かべて、そこに手を浸けるハンドバス。
入浴剤としてお風呂に入れたりと利用方法はたくさんあるのです。
犬へも利用することができます。
冷ましたティーをタオルに染み込ませて炎症している部分にシップをすることで、かゆみや痛みの緩和になります。
薄めたティーを飲ませてあげることで、消化不良の助けにもなります。
比較的穏やかなハーブなので安心して利用できますが、場合によってはアレルギーが出る可能性もあるため、使用する前には必ずテストをしてください。
ごく少量を与え様子を見て、反応がなければほぼ大丈夫です。
犬は人と違って何かあっても言葉で教えてくれることはありません。
ですので、利用する際にはご家族がしっかりと観察することが大事ですよ。