しつけをしている飼い主さんに、往々にしてあること。
それは「完璧を求めすぎる」ということ。
しつけをするうえで、犬が指示通りに動くことは理想です。
それが完璧にできていれば、問題行動と言われるものはなくなります。
吠えていようが、興奮していようが、飼い主が指示を出した途端にピタッと終わる。
そうなれば問題行動とは言いませんよね。
そんな理想を飼い主さんは追い求めます。
それはそれで良いのです。
ただ、完璧を求めすぎないようにしましょうよ、と私は言いたいのです。
どういうことかというと、きっと飼い主さんの頭の中には理想の完成図があるはずです。
指示を出したらパーフェクトに指示に従うワンちゃん。
素晴らしいですよね。
でも、現実はどうでしょう。
指示を出しても言うことを聞いてくれない。
もう!なんでいう事を聞いてくれないの!って思ってしまいます。
そして、何でできないのかな、私が悪いのかな…と落ち込む飼い主さんが多い。
みなさん、とてもしつけを頑張っていて、真面目に努力をしています。
だからこそ、できなかった時の落胆が大きいのですよね。
そして、できないのは自分のせいだと思ってしまう。
わかります、その気持ち。
できないのは犬のせいだ!という人もいますが、優しい飼い主さんたちは自分の力不足であると思うのですよね。
他の飼い主さんとワンちゃんを見ては、あんな風にコントロールできたらいいのにとか、あんな風にお利口にしてもらえたらいいのにとか、ついつい比較して自分はダメな飼い主だと思ってしまう。
でもね、比較をしても何も始まりません。
ましてやダメな飼い主なんてことは絶対にないのです。
ダメな飼い主というのは、ワンちゃんの行動を放置し、関心を持たない飼い主の事。
ワンちゃんの事を思って、ワンちゃんと楽しく暮らしていきたいと思って、お互いが幸せになるために努力をしている人の事を、ダメな飼い主とは誰も言わないでしょう。
だから、自信をもって良いのですよ。
できないことはあるけれど、できることだってたくさんあるはずです。
それだって、一緒に頑張ってできるようになったのではないですか。
できないものをできるようにする努力は必要です。
でも、あまりにも完璧を求めすぎて、目の前でできている小さな成功を見逃さないようにしましょう。
頑張っているしつけの中で、ちょっとでも進歩できたならお互いを誉めあう。
次のステップも頑張ろうね!と一緒になって進んでいく。
そうすれば難しい課題だってきっとクリアできるようになります。
時間がかかっても、楽しみながらであれば続けられますよね。
しつけを頑張っている飼い主さんにダメな飼い主さんはいません。
もうちょっと気持ちを楽にして楽しみながらやっていきましょう。