前回は飼い主さんの気持ちがぶれる事で、しつけの際、犬にも影響が出るという事をお話しました。
今回は、しつけだけではなく、日常の何気ない気持ちの揺れ動きが、犬にはどのように伝わっているのかをお話したいと思います。
犬はとても頭が良いです。
そしていろいろな感情を感じ取って、空気を読むこともできます。
人間の行動を観察して、瞬時に自分の意思を伝えようとかわいく振舞ってみたり、追いかけてみたり、見つめてみたり、そんな行動を一緒に暮らしている人なら、よく見るのではないでしょうか。
とてもかわいらしいと思いますが、飼い主が喜ぶように演じる演技派でもあるんですね。
言葉が通じない分、どうすれば分かってもらえるかを学習し実行しています。
さて、そんな頭の良い犬ですが、一緒に住んでいる家族の事をよく観察しています。
そして、いろいろな事を感じ取っています。
例えば、飼い主さんが落ち込んでいたり、泣いていたりすると、犬はどんな態度を取るでしょうか。
そっと側に近寄ってきてくれたり、心配そうに顔を覗き込んできたり、元気出して!とおどけて見せたり。
ワンちゃんの性格にもよりますが、いつもとちょっと違う行動を見せたります。
では、今度は飼い主さんが怒っていたり、イライラしたりしているとどんな行動に出ると思いますか?
ワンちゃんを飼っている人は、ちょっと思い出してみてください。
自分がイライラしていたとき、怒っていたとき、ワンちゃんはどんな風でしたか?
まぁまぁ落ち着いてよ、と周りをウロウロしていたり、触らぬ神に祟り無しと自分のハウスで小さくなっていたり、ブルブル震えていたり、逆に一緒に怒ってみたり。
これもいろいろな行動を見せてくれます。
それだけ、犬は感受性が高く、飼い主の影響を受けている事になるんですね。
家族の中に受験を控えている子供さんがいたり、転勤や転職、引越しなどの環境の変化、家族間の喧嘩など。
人間からすれば、それは人間の問題だから犬にはまったく関係ないし、影響も無いと思いがちです。
でも実際は、犬にも関係があることだったりします。
それはなぜかというと、その環境の変化に対応している家族の気持ちが原因です。
少なからず、何か問題を抱えていると不安になったり、イライラしたり、怒りっぽくなったり、さらには親子ゲンカや夫婦喧嘩などになりやすくなります。
そんな経験、ありませんか^^;
前に話したとおり、敏感に気持ちを感じ取る犬は、それらを受けて、いろいろな反応を示します。
犬に限った事ではなく、人間でもそうだと思いませんか?
例えば、家族の中で一人、イライラしている人が居ます。
その人は表に出している気はまったく無いのですが、周囲の人にはそのイライラが感じ取れます。
他にも、怒りを内に秘めている人の周りには怒りっぽい人が集まりやすかったり。
そんな類は友を呼ぶではありませんが、「同じ状態」になる事が、楽だったりするわけです。
もちろん、無意識での事ですよ。
さて、今までの話を前提に考えてみると、日頃の飼い主さんの気持ちや状態が犬に反映されるということがわかりますね。
すべての事がそうであるとは言いませんが、少なからず、影響はあると思っています。
・なぜか突然、ワンちゃんの元気がなくなってしまった。
・ある日急に、攻撃的になってしまった。
・やたらと落ち着き無く吠えたりウロウロするようになってしまった。
そんな行動を目にした時、まずは飼い主さんが自分の今置かれている状況、気持ちの変化、体調などを振り返ってみてください。
・最近疲れて落ち込み気味だった。
・仕事のストレスでイライラが溜まっている。
・体調が悪く、憂鬱な気分が続いている。
そんな変化はありませんでしたか?
ワンちゃんの行動の原因には、何かしらの原因があります。
その原因のひとつとして、飼い主さんの影響があるんです。
もちろん、ワンちゃん自身の病気や、物理的なものによって問題行動に発展することもあります。
原因はひとつであるとは限らないので、気になるものを1個ずつ消去していくのが良いですね。
ワンちゃんが落ち着いて暮らしていくのに一番なのは、飼い主さんが落ち着いてゆったりとしている事が一番です。
何があってもどっしりと構えて、守ってくれる存在が側にいることで、ワンちゃん達は安心することが出来ます。
もし、不安やイライラが溜まっているようでしたら、ワンちゃんと一緒に楽しい事をして発散してみてください。
楽しいという気持ちを共有することで、きっとワンちゃんも自分自身も良い変化を感じるでしょう^^